2017/09/28

 

アイスランドの総選挙が教えてくれること

アイスランドの国会議事堂
アルシング

日本でもこの秋は、降って湧いたような解散総選挙で慌ただしいばかりですが、去年の10月に総選挙があったばかりのアイスランドでも、突然10月の総選挙が決まりました。



ことの発端は、連立政権の崩壊。昨年の総選挙で各政党の議席数が拮抗し、3党合意でなんとか連立政権を維持していた独立党のベネディクトソン首相のスキャンダルでした。

日本の首相も3月から森友、加計とスキャンダルが続いていますが、アイスランドの首相のスキャンダルは、首相の父親が、児童に対する性犯罪で有罪となった旧友の犯罪歴を抹消するため、推薦状を書いていたこと。それを首相率いる独立党が隠ぺいを図ったことに「明るい未来」が反発し、連立政権から離脱したため、ベネディクトソン政権は崩壊したのです。

そして、総選挙が決まりましたが、これは「首相の専権事項」などで決まったわけではありません。政権崩壊(すなわち国会の議席の過半数を政権が有していない)を受けて、新しい連立政権を組めないかを各政党と協議した末、解散総選挙を皆が選択し、それを大統領に報告して、ようやく10月28日に総選挙をするということが決まりました。また、大統領の助言により、総選挙までは国会を継続し、国会議員の職務を果たすことになりました。


ここまでお読みになって、いかが思われますか?
私はどうしても日本と比べてしまいます。


日本では、首相夫人が名誉校長である小学校への国有地売却に、また首相自身が友人の大学経営に便宜を図ったのではないか、またその問題に関する書類などを財務省など関係省庁が隠蔽しているのではないかと、客観的に見るとたいへん疑わしい事態が続いていますが、連立を組む公明党は問題視することなく、傍観者のような対応を続けています。

森友、加計学園問題で支持率が急落する中、糾弾されていた大臣たちを隠すように行われた内閣改造。憲法に則って野党議員から要求されていた臨時国会の開催は拒み続け、少し世間がこの問題を「忘れたかな」と思った矢先に、「総理の専権」による臨時国会召集冒頭の解散と総選挙。国民の負託を受けた国会議員が議論する国権の最高機関の国会を、なんだと思っているのでしょう?

また、その国会議員も、国民から負託された政策や理念よりも、議員という地位に執着しているとしか言えない言動ばかりです。当選するために、政党を転々とするばかりでなく、党までも出来たり、消えたり。これは議員の資質を問うだけで解決する問題ではなく、小選挙区制、政党助成金、選挙供託金など、選挙をとりまく状況にも問題があるとは思いますが、有権者にとっては、どのような政策を支持して投票していいのかわからない状況です。これで、民主主義、国民主権と言えるのでしょうか?


話をアイスランドに戻します。
さて、10月の総選挙。その一報を聞いた9月19日、私の目には3月に訪問した海賊党の皆さんの顔が浮かびました。次の選挙に備えて、若者や低所得者のための政策案を真剣に話し合っていた海賊党の躍進と、海賊党の創立者のひとりで国会議員のビルギッタさんの首相就任を期待しました。しかし、その数日後、そのビルギッタさんが10月の総選挙には出馬しないと表明したことを知りました。

なぜ出馬しないのか?インタビュー記事によりますと、そもそも初めて2009年に国会議員に当選した時、「国会議員は2期だけ」と表明していたそうです。しかし、2期目の途中で前首相の「パナマ文書」スキャンダルによる辞任、総選挙となり、2期目を全うするためにと3回目の出馬。しかし、次回は4回目の出馬となるので、もう「約束は破れない」と国会から退き、しばらくは、政界で自分の経験してきたことなどを皆と共有するために著作に励みたいとのこと。


この決断は、ビルギッタさんの人気を考えれば、海賊党の支持率にも影響を与えるのではないか、またアイスランドの国民にとっても大きな損失ではないかと思いますが、それがアイスランドの政治家の発言の重みのようです。「2期しかしない」と表明したことは、よほどの理由がない限りは守らなければ、人々の信頼を得ることはできないということでしょう。

政治家の言葉が信じられなくなれば、国民は何を信じて投票すればいいのでしょうか?民主主義の根幹は、政治家と国民の信頼。国民の声を国会に届けるのが国会議員の務めである限り、「この人は信用できない。国会に送り込んでも何を言い出すかわからない。」と思われたら、おしまいなのだということを、ビルギッタさんの姿勢から教えられました。


さて、日本の10月の総選挙。
当選の後、どんな政策を貫く覚悟があるのか・・・信頼できる候補者はいますか?
いなければ、誰がマシか、もしくは消去法でもいいから投票する。
そして、長期的には、信頼できる政治家を育てていく・・・民主主義の第1歩を、私たち国民が踏み出していかなければと思います。


++ 参考サイト  ++
■アイスランド首相、11月に解散総選挙へ
https://www.nna.jp/news/show/1663075

■Elections Confirmed for October 28th
http://icelandreview.com/news/2017/09/18/elections-confirmed-october-28th

■Iceland's "Pirate' Politician Won't Run After Government Collapses In Pedophilia Scandal
Birgitta Jónsdóttir became Iceland’s most famous parliamentarian after challenging the U.S. with WikiLeaks in 2010.
http://www.huffingtonpost.com/entry/iceland-birgitta_us_59be9811e4b02da0e142af1e?x8n

++ 関連ブログ ++
■アイスランドで見つけたもの
http://flowersandbombs.blogspot.jp/2017/07/

2017年3月海賊党本部で
ビルギッタさんと



2017/09/06

 

また巡ってくる9月11日。。。


また9月11日が巡ってきます。
2001年9月11日の「同時多発テロ事件」から16年となります。今思い返しても、あの日を起点とした「対テロ戦争」が、これほど世界を暴力の連鎖に巻き込むことになろうとは・・・と悔やむばかりです。

何かをせずにいられず始めた「花と爆弾」のチャリティ活動。毎年のように9月にピースライブや上映会などのイベントで募金をお願いしてきましたが、今年は私のアイスランド報告会などでお寄せ頂いた募金などをそれに充てさせていただきます。

2005年のピースライブより



もしかして、「今年もチャリティ・イベントで募金しようと思っていたのに」と思ってくださっていた方がいらっしゃれば、よろしければ、「花と爆弾」が支援させてもらっている下記のアフガン・イラク支援団体にご寄付いただければ、たいへん嬉しく思います。




ペシャワール会  
 アフガニスタンの土漠に水路を建設し緑の大地を復活させた中村哲医師を支える会。

カレーズの会

 アフガニスタン医師の兄弟を中心に展開するカンダハルでの医療活動などを支援する会。
  
日本イラク医療支援ネットワーク  

 白血病や小児ガンなどに苦しむイラクの子どもたちを長年支援する会。イラストがかわいい「チョコ募金」でご存知の方も多いでしょう。

イラク支援ボランティア

高遠菜穂子さん。大きな団体が気がつきにくいニーズを探っての貴重な活動をイラクで続けられています。
 
イラクの子どもを救う会

フリー・ジャーナリストの 西谷文和さんの会。現地での貴重な情報を私たちに届けてくれると同時に、現地に食料や水、毛布や薬などを届ける活動をされています。

JVCイラク基金
長年、イラクの子どもたちの医療や教育への活動を続けているプロジェクト。現在はキルクークを中心にコミュニティの信頼関係を築く活動に熱心に取り組まれています。

また、「花と爆弾」では、福島第一原発事故の影響を受ける子どもたちのための支援もさせてもらっています。
福島の子どもを招きたい!明石プロジェクト 
まつもと子ども留学基金



新しくなった「花と爆弾」のカバー

残念なことに、アフガニスタン、イラクとも戦火は絶えず、混乱は続いています。また、暴力の連鎖は、シリア、イエメン、中東全体を揺るがし、日本が位置する北東アジアでも緊張が高まってきてしまいました。この16年間で学ばなくてはならないこと、それは軍事力という暴力では何も解決しないということだと思います。

微力ではありますが、これからも様々な機会を通して、希望の連鎖をつないでいく努力を続けたいと思います。

小橋かおる
花と爆弾-もう、戦争の暴力はやめようよ-

2017/08/09

 

『日本人のための平和論』を読んで






人間は戦ってでも獲得する価値がある何かがあるときに戦おうとする。その「何か」を取り除くことができれば、多くの争いや戦いは自然消滅するだろう。
(p.64。以下ページ数はすべて『日本人のための平和論』)









8月15日は戦後72年となる終戦記念日。この72年間、日本はなんとか戦争という事態に国土をさらすことなく、また自衛隊が他国の人を武力によって殺すということもなくやってきましたが、近年「変化する国際状況に対応する」というかけ声のもと、2015年には安保関連法が可決され、自衛隊の海外任務にも「駆け付け警護」が付与され、米軍と自衛隊の軍事演習も頻繁に行われるようになりました。

それら日本の安全保障関連の法体系の変化と、北朝鮮の大陸間弾道ミサイルの開発による米朝間の緊張の高まりや、中国との尖閣諸島の帰属問題などによって、私たちの意識が武力による対処へと流されているような気がします。

しかし、武力による問題解決など、ほんとうにあるのでしょうか?米国は世界でも断トツの軍事力を持っていますが、2001年10月のアフガニスタン空爆から16年間、どれだけ空爆を繰り返し、兵士を展開させても、問題を解決するどころか、世界の混沌を深めるだけです(おそらく軍需産業は儲かってしかたがないでしょうが)。

その混沌に日本も巻き込まれつつあるように私には思えますが、今ならまだ間に合うとの思いから、平和学の父とよばれるヨハン・ガルトゥング氏の『日本人のための平和論』を読みました。たいへん示唆に富む、「もうひとつの」というよりも、もしかしたら「唯一の」問題解決法が提言されていましたので、いくつかご紹介しながら、私が考えたことを記したいと思います。


最初に紹介した引用文、「人間は戦ってでも獲得する価値がある何かがあるときに戦おうとする。その「何か」を取り除くことができれば、多くの争いや戦いは自然消滅するだろう。」のとおり、戦争を引き起しかねない「何か」を取り除くことがとても大切です。


中国との懸案の尖閣諸島ですが、これを解決するには「一方に帰属せねばならない」という概念を取り除けばいいのです。そして、「共同所有」とすればいいとガルトゥング氏は言います。

領土問題の非軍事的解決策のひとつ、領土の共同所有とは、領有権争いのある地域を共同で管理し、そこからから得られる利益を配分するという方法である。ガルトゥングは、尖閣諸島(釣魚島)については2つのチャイナ(中国と台湾)に40%、日本に40%、環境保全や管理等に20%を配分することを提案している。竹島(独島)についても同様で、日本に40%、2つのコリア(北朝鮮と韓国)に40%、環境保全等に20%を配分することを提案している。北方四島については日本に30%、ロシアに30%、環境保全等に20%、残る20%はアイヌの人々に配分することを提案している。


尖閣諸島のような小さな島をめぐって、どうして軍事衝突などする必要があるでしょう?そのような「衝突」に備えるために、社会福祉や教育予算を削減して、防衛費にあてるなど、軍需産業が喜ぶだけです。



また、ガルトゥング氏は、朝鮮半島の緊張緩和についても「二つの国家の統一」という国家からのアプローチではなく、「国境の開放」から生まれうる民族の交流から始めることを提案しています。

国境を開けば領土の重要性は低下する。国境を開くことによって、世界は主権国家システムから地域共同体によるシステムへと進路を変えることができる。だから私の思いは、いつも地域共同体によって構成される世界のイメージへと舞い戻る。それが紛争を終わらせ、協調と調和を獲得する方法だと考えるからである。(p.70)


確かに、EU統合により国境が開放されたことにより、ヨーロッパのバスク、カタルーニャの独立闘争は落ち着きましたし、逆にイギリスがEU離脱を決定したことによりEUとの国境を閉ざすかもしれないということで、ジブラルタルというイベリア半島にあるイギリス領が、スペインとの帰属を巡って、今後大きな問題となりかねない状況を見ると、国境の開放がどれほどの影響力があるかがわかります。


韓国と北朝鮮が、二つの体制を維持しながらも、国境を開き、民族が自由に行き来できる環境が整えば、民族という共同体が形成され、長い時間をかけて連邦、さらには統一国家となることも可能性はないとは言えないでしょう。

「それでは、北朝鮮の核ミサイルやキム体制を容認するのか?」と思われるかもしれませんが、現在の体制を容認してもらうことが北朝鮮が核ミサイルなどを開発する理由と思われますので、米朝間の交渉で現体制が容認されれば、核ミサイルは不要となるでしょうし、また、残念ながら世界にはひどい独裁国家は他にも存在します。日本も米国も、利益となるならばそのような国々とも国交を持っています。現に、ヨーロッパなど北朝鮮と国交を持つ国がほとんどです。朝鮮半島を再び戦火が襲うよりは、国を取り巻く環境を変え、緊張を緩和していくのほうが、ずっと大切ではないでしょうか?


ここまで読まれて、「そんな簡単に物事はすすまないよ」と思われる方も多いでしょう。そうなのです。そんなに簡単には進まないのです。簡単に進んでしまうと、日本人にとって在日米軍が不要になってしまいますから。ガルトゥング氏は、日本への提言として最後に「対米従属からの決別」を挙げています。


日本は1945年8月15日以来、いまも米国に占領され続けている。占領は日本の奥深くまで浸透し、植民地レベルに達している。この状態から脱しない限り、日本は独自の方法で東アジアの平和に貢献することはできない。(p.116)



ガルトゥング氏は、日米安保条約の即時撤廃は容易ではないとして、日米安保の有名無実化に向けた取り組みを提案されています。すなわち東北アジア共同体形成に取り組みつつ、米軍基地を撤退させ(その前に、日米地位協定の改定を要求するなどして米軍の居心地を悪くしていく必要もあるかと私は思いますが)、そして真の独立国になるために専守防衛と食糧自給率の引き上げも提言されています。


終戦から72年。冷戦も終わり、アメリカが唯一の超大国である時代も終わりました。地球は多くの人口を抱え、また自然環境も悪化しています。このような危機を乗りこえるために、私たちは本気で自分たちの国の行く末を考えなければならないと思います。その上で、戦争は避けられるものだと認識し、人も環境も傷つけることのない解決方法の実現に意識を向けていくことが大切だと思います。





*部の引用サイト
■尖閣・沖縄・米軍基地問題に解決策はあるのか?
キーワードで読み解くガルトゥング平和論<2>
領土問題・沖縄・安全保障編
http://diamond.jp/articles/-/134483
上記リンクにて、専守防衛や米軍基地について詳しく提言されていますので、
ぜひご覧ください。

その他のガルトゥング氏の提案についても以下のサイトでご覧いただけます。
■「日本人のための平和論」記事一覧
http://diamond.jp/category/s-peoplespeace


= 関連サイト =
北朝鮮との対話による緊張緩和について、現状認識などとても詳しく解説されているインタビュー動画です。
■北朝鮮問題に落としどころはあるのか
ゲスト武貞秀士氏(拓殖大学特任教授)
マル激トーク・オン・ディマンド 第852回(2017年8月5日)
http://www.videonews.com/marugeki-talk/852/

日本が「植民地レベル」にまでアメリカに占領されているのはなぜかについて。
■日本が「基地」も「原発」もやめられないのは「朝鮮戦争」に起源があった!? 
岩上安身による『知ってはいけない――隠された日本支配の構造』著者・矢部宏治氏インタビュー 2017.8.2
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/394226

国境を閉じることのもたらす危機について。
■英領ジブラルタルが示すEU離脱の危険(社説)
日経新聞2017年4月4日付 英フィナンシャル・タイムズ紙
http://www.nikkei.com/article/DGXLASGM04H3Y_U7A400C1000000/

日本の防衛費について。
■防衛費、過去最大の5.1兆円へ 29年度予算案、中国・北朝鮮対応
産経新聞 2016/12/1
http://www.sankei.com/politics/news/161201/plt1612010039-n1.html


2017/07/16

 

アイスランドで見つけたもの

                            
首都:レイキャビク
北大西洋の小さな島国、アイスランド共和国をご存じですか?人口30万人ほどの氷河と火山の国ですが、2008年のリーマン・ショックによる金融崩壊の危機を乗りこえ、2016年には一人あたりの所得世界7位と経済を立て直した国。また、男女平等ランキング世界1位、平和な国世界1位、幸福度世界3位、そして国内電力需要のほぼすべてを水力と地熱でまかなうという、まるで社会的「おとぎの国」のようなアイスランド。いったいどのような人たちが創り上げたのか?ずっと気になっていた国、アイスランドを3月に訪問し、国会議員、市民政党の支持者、若者、ごく普通の人々と会話を交わし、その答を探してきました。今回の旅を時系列で振り返っておきたいと思います。


 
40年ぶりに見たストライキによる交通機関のマヒ


2017年3月16日、関西空港を出発。ヘルシンキで一泊し、3月17日午後、アイスランドに到着。ヘルシンキでは、フィンランド・エアーのストライキがあり、午後の便が次々とキャンセルされる中、アイスランド・エアーは飛んでくれたので、予定通りアイスランド・ケプラヴィーク国際空港に到着。まず、驚いたのは入国審査がないこと。アイスランドは、シェンゲン条約加盟国なので、ヨーロッパ諸国間の移動は、国内移動の扱いで出入国手続きはないとのこと。実は下調べ不足でそのことを知らなかったので、飛行機を降りて、スーツケースをとって、気がついたら空港の外に出ていて、「あれ???パスポート見せてないよ???」とびっくりしてしまいました。天気は晴れ。気温は5度ほどで、噂に聞いていたとおり、北極圏にありながらも、メキシコ湾流という暖流のおかげで、それほど寒くはないというのは本当でした。


3月18日(土)                       
庶民的なスーパーマーケットで買い物。これだけで3000円超え!

10日間滞在することになっているゲストハウス(レイキャビクのシンボル的建造物、ハットルグリムス教会の近く)のオーナーの青年が、土日は港の近くで「フリー・マーケット」があることを教えてくれたので、坂を下って行ってみました。アイスランドは物価が高く(消費税は24%:食材などは11%)、前日の夜、オーナーが「近くにコンビニがあるけど高いよ」と言ってくれたけど買い物に行ったら、玉子6個と食パン6枚で1000ISK(1ISKアイスランド・クローナ=約1円)もしたのでびっくり。しかし、さすがにフリー・マーケットはお手頃な値段のものが多く、アイスランドでとっても役立ちそうなダウンのコートを3000ISKでゲット。これが軽くて暖かくて、風も雨も遮ってくれる優れもの!ほんとうにこのコートには、アイスランド滞在中はとってもお世話になりました。


3月19日(日)
天気予報によると月曜日からはずっと雨。せっかくの晴れの日曜日なので、しっかり観光しよう!と、ゴールデン・サークル・ツアーに参加。このツアーでは、人気のスポットである、シンクヴェトリル国立公園、グトルフォスの滝、ゲイシールの間欠泉を巡り、地熱によるトマトのハウス栽培所に立ち寄りました。前夜に少し雪が降ったので、溶岩の黒い大地が雪で真っ白になり、遠くには白い氷山と青い空。ほんとうに気持ちの良いツアーでした。私の一番の目的は、シンクヴェトリル国立公園のアルシング。930年に設立されたアルシングという議会は、世界で最も古いとされ、ヨーロッパ大陸では領主制、王政が敷かれていた時代に、アイスランドでは代表民主的な政治が行われていたと知り、「絶対に行ってみたい!」と思っていた場所。そこは北米大陸プレートとユーラシア大陸プレートの裂け目で、背後に絶壁、眼前に川と平地が広がる地。千年もの昔から、人々が島中からこの地に集まって、様々な問題について討議し、解決していったのかと思うと、このアイスランドという国の民主主義の奥深さに少し触れることができた気がしました。

1000年前のアルシングの議場



3月20日(月)                    
海賊党本部でビルギッタさんと

今回のアイスランド訪問の一大イベント、海賊党(Pirate Party)の本部を訪問!2008年の金融崩壊から市民が鍋とフライパンを持って立ち上がり、政治を自分たちの手に取り戻していくドキュメンタリー映画を観て以来、市民たちが2012年に作った政党、海賊党にとても興味を持っていました。2月頃から本部とメールをやりとりし、この日の本部での学習会に参加させてもらうことにしていたのですが、学習会の開始時刻より1時間ぐらい前に到着。「早すぎたかな?」と思いながらも本部のドアを開けると、なんと海賊党の主要メンバーの皆さんがミーティング中でした。ちょうどミーティングが終わりかけのときだったようで、皆さん、笑顔で迎えてくれて、国会議員や党役員の方たちも気軽に話しかけてくれました。

そして、ドキュメンタリーを見てから、ぜひお会いしたいと思っていた海賊党創立者のひとりで、現在国会議員も務めるビルギッタ・ヨンスドッティルさんも登場!とてもフレンドリーな方で、私が、「あなたたちは市民で政党を作って10人も国会議員を誕生させたことはすごい!私たちも2012年に緑の党を日本に作ったけれど、まだ一人の議員も国会に送り込めていない。供託金という選挙制度は、市民が政党を作る障害になっている。」と話すと、「それは民主主義じゃない。その選挙制度についての資料を送ってくれたら、機会があれば言及していきたい。」ともおっしゃいました。初めて会ったとは思えないぐらいに話が合って、波長も合って(?)、国境など簡単に飛び越えての連帯を感じました。

「子どもがお腹空かせてるから」と言ってビルギッタさんたちが本部を後にしてから数十分後、夜7時頃から学習会が始まりました。この日の議題は「若者と住宅問題」。仕事帰りなどの海賊党のメンバーが30人ほど集まり、4人のパネラーの問題提起のスピーチの後、フロアーのメンバーとの討議が続き、終わったのは10時前でした。このような学習会を毎晩のように行い、また土日にはミーティングを開き、党の政策を磨き、選挙作戦を練っているとのこと。現在は新自由主義的な政権となっているますが、「市民のための公平な政策を実現するためには、まずは選挙で勝たなければ」との思いを、メンバーたちが語っていて、本来の選挙の意味というか、民主主義の姿を垣間見た気がしました。

  
現在のアルシング:アイスランド国会議事堂
3月21日(火)
1000年前のアルシングは、大陸プレートの裂け目にありましたが、現在のアルシングは首都レイキャビクの中心地にあります。商業地区の池のほとりに立つアイスランドの国会議事堂・アルシング。2009年1月には、市民がこのアルシングを取り囲み、国民投票を求めていました。その訴えは、「一部の銀行家たちが作った何千億ISKもの負債を、なぜ国民が肩代わりしなければならないのか?銀行など潰してしまえばいい。」2008年のリーマン・ショックでは、多くの銀行が巨額の損失を出し、銀行がつぶれないように政府が税金で救済するという事態がアメリカを始めほとんどすべての関係各国で進みましたが、アイスランドの国民は、そのような政策にNO!を突きつけ、借金の肩代わりを拒否し、多くの国で借金返済のために犠牲にされた、社会福祉を守りました。そのことを記念するかのような石のオブジェがアルシングの前の広場に置かれていて、そこにはこんな言葉が記されています。
アルシング前の石のオブジェ

「政府が人々の権利を侵害する時、         
反乱は、市民にとって、
最も神聖な権利であって、                    
また最も不可欠な義務である。」
人間と市民の権利の宣言(1793年)

国会が開会中だったので、中に入って傍聴しました。国会議員63名のこぢんまりとした国会議事堂ですが、とても清潔で明るい空間で、昨夜お会いした海賊党の国会議員さんたちやビルギッタさんも真剣に討議をされていました。日本の国会とは違い、皆さんとても静かに発表者の話を聞かれていて、またスピーチの持ち時間が少なくなってくると議長が議長席に置かれた鐘をチーンと鳴らすのが、とても印象的でした。まずは静かに意見を聞く。話し合いの基本、すなわち民主主義の基本はこれかもと思いました。



アイスランド大学のカフェテリアの建物

3月22日(水)
レイキャビクの中心街より歩いて20分ほどのところにあるアイスランド大学へ。お昼休みのカフェテリアに行って、学生さんたちと話をしました。ゆっくりお話しできたのはニーナさんという金融学専攻の女子学生。高校生の時に、高校生の世界会議のようなものに参加するために金沢に行ったことがあるとのこと。今回アイスランドに行って驚いたことの中に、若者の多くが日本に行ったことがあるということ。月曜日の海賊党の学習会でも若者がふたりいましたが、ふたりとも日本に留学していたと言っていましたし、こちらからなんとなく声をかけただけのニーナさんも金沢に行ったことがあると言うので、ほんとうに驚きました。ニーナさんに確認したのは、ほんとうにアイスランドでは大学も無料なのかということ。一応授業料は無料ということですが、国立のアイスランド大学では年間登録料が75000ISKほど必要。私立のレイキャビク大学では30万ISKほど必要かもしれないとのこと。日本の国立大学は、現在53万円ほどなので、それと比べるとかなり学費は低く抑えられています。また、大学相当教育への進学率は80%台。そのせいかどうなのかはわかりませんが、若者も高齢な方も、どなたに声をかけても皆さん英語がお上手で、ほんとうに助かりました。


3月23日(木)
ゲストハウスの部屋に設置されていた温水ヒーター
この日は朝から雨。アイスランド人にとって雨の日を過ごし場所として一番の人気スポットの温泉プールに行くことに。レイキャビクには何件もの温泉プールがありますが、それは郊外にある地熱発電所から豊かな水量の温水がレイキャビクの街に運ばれてくるため。温泉プールだけではなく、この温水を運ぶパイプは街中に張り巡らされていて、家々の暖房にも使われています。この暖房がシンプルな作りながら、いつも屋内をとても心地よい暖かさに保ってくれる優れものなのです。          

さて、イギリスでは地元の人と仲良くなるにはパブ、アイスランドでは温泉プール!と、ゴールデンサークル・ツアーのガイドさんに教えてもらった市民の憩いの場、ちょっとワクワクしながら、近くのsundhollin温泉プールにいってみました。するとなんと、その日はこちらのプールの80周年という記念すべき日で、入場無料!(通常は950ISK) また、プールで少し泳いで出てきたら、大きなバースデーケーキのケーキカットのタイミングだったので、しっかり頂きました(*^_^*) 

ケーキをほおばりながら、たまたま隣に座ってらした70才ぐらいの男性にお声がけしたら、私の素朴な質問に親切に答えてくださって、やっぱり地元の人と仲良くなるにはプールだなと実感。アイスランドでは、冬の時期に子どもは公園で遊べないので、プールで遊ぶこと、学校の体育の授業も頻繁にプールで行われること、そして、もともと漁業で成り立つこの国では、水泳はとても重要視されていることなど教えてくれました。その男性も、定年した後は毎日のようにこのプールに通っていると言って、ケーキを食べ終え、泳ぎに行かれました。そして、入り口からは子どもたちの集団が!スクールバスに乗って、体育の授業でプールにやってきた小学生たちでした。ケーキを食べて、しっかり泳いでね!

温泉プールに掲示してあった
アイスランド国民にとっての水泳の重要性を感じさせてくれる資料



3月24日(金)
この日はひどい雨。午前中はアイスランド国立博物館へ。1000年前の定住が始まったころから、現在までのアイスランドの歴史がよくわかる展示となっていました。この展示を見て思ったことは、アイスランドという氷河と火山の島で、人々はほんとうに懸命に生きてきたのだなぁということ。男性は寡黙な人が多い印象ですが、歴史的に漁業で生計を立ててきたこの国の男性は、北海の荒海を相手にほんとうに過酷な漁に出て家族を養い、後を任された女性たちは、元気にたくましく働いてきた・・・だから、とても朗らかで働き者の女性が多いのかなと思いました。
                         
アイスランド「サガ」の英語劇
夜は、アイスランドの古事記のような「サガ」という物語の英語劇を観に行きました。うたい文句は、「30巻にもおよぶサガを75分の劇にまとめた」で、男女お二人の役者さんが演じるコメディ仕立ての劇でした。エネルギーとユーモアあふれる「サガ」の演技で、「サガ」の神髄は、「殺人、復讐、殺人、復讐、最後はアルシングで和解!」ということがよく分かりました。こうして活字で書くと生々しいですが、殺し合いの果てには、やっぱりアルシングで話し合って和解するというところが、アイスランドなのですね。



海賊党本部のキッズルーム

3月25日(土)
再び、海賊党本部へ。この日は、選挙の候補者選定の基準などを協議するメンバー同士のミーティング。すべてアイスランド語でやりとりされ、またこの日は通訳をしてくれるスタッフもいらっしゃらなかったので、内容はまったくわからないものの30分ほどミーティングに参加させてもらいました。やはりここでも発言が長くなると議長が鐘をチーンとならし、交通整理。基本的に、皆さんよく他の人の意見を聞き、その後自分の意見を言うという姿勢で、議論が途切れることはなく、議題が進んでいっているようでした。

休日ということで、この日はふたりの小学生ぐらいの女の子たちが父親に連れられて本部に来ていました。海賊党の本部には、きちんとキッズルームが用意されていて、ガラス張りの部屋の中で子どもたちは遊んでいました。親も子どももお互いの様子がわかって、なおかつ音は漏れないようになっているので、子連れでも安心してミーティングなどに参加できるのです。

アイスランドは男女平等を示すジェンダー平等指数世界第1位ですが、やはりこういう設備や社会整備が行き届いているのだなぁと思います。ちなみにアイスランドではほとんどの夫婦が共働きで、子どもたちは1才から保育園に入るそうです。「保育所が足りないとか問題はないですか?」と聞いたら、「たまに近くに入れないとかあるかもしれないけれど、ほとんど問題としてはあがってこない」と女の子たちのパパが答えてくれました。

ところで、どうしてアイスランドで男女平等がこれほど進んでいるのか?そこにはやはり、自分たちの権利は自分たちで獲得するというアイスランド魂の神髄があるような気がします。1975年10月24日に女性のデイ・オフという、アイスランドの女性たちが一致団結して、仕事も家事も育児も放棄するという一大ストライキがあり、その後も女性たちは、男女の格差解消を求めて何回か10月24日にストライキを決行しています。昨年の10月24日には4回目のデイ・オフがありました。そのときの写真がたくさん掲載されているサイトをご紹介します。とても華やかで力強い女性たちが素敵ですよ。
Gender Wage Gap Protest - Photos


3月26日(日)
アイスランド最終日。久しぶりによく晴れた日曜日。レイキャビクのランドマーク的存在のハトルグリムス教会のミサに参列しました。ルター派の教会ですが、驚いたのは牧師さんが男女ペアで入場してきたこと。やはりこれもジェンダー平等指数世界1位のアイスランドならではでしょうか?お説教をされたのは女性の方で、男性は壁際に座っていらっしゃいました。お説教もアイスランド語なので、何の話かさっぱりわかりませんでしたが、アメリカ・コロラド州から来た高校生の聖歌隊による歌もあり、アイスランドの地元の人たちと日曜日を過ごせて、素晴らしい最終日となりました。

教会からの帰り道、猫たちが現れて、一緒に遊んでくれました。私は猫が大好きなので、警戒心を持たずに人と遊んでくれる猫がいる街は、それだけで大好きになってしまいますが、レイキャビクは、私にとってほんとうに特別な街となりました。

レイキャビクの街のランドマーク
ハトルグリムス教会


今回は首都レイキャビクだけの滞在でしたが、アイスランドの国民性を育んだアイスランドという島全体を、いつかまた自分の足で巡ってみたいと思います。



お薦めの動画
■アイスランド無血の市民革命 通称:鍋とフライパン革命
https://www.youtube.com/watch?v=BZxR1VbTVkg


アイスランド報告会のお知らせ             

☆アイスランドの旅でみつけたもの
日時:2017年8月27日(日) 14:00~16:30  開場 13:30
場所:こうべまちづくり会館ホール
http://www.kobe-machisen.jp/access/
講師:小橋かおるさん(大学英語講師)
講演:アイスランド-小さな国の底力
参加費:500円(原発事故避難者・学生 200円)
高校生以下の子ども無料
お子さま連れのご参加歓迎(会場内にキッズスペース有)
主催:政治を市民の手にとりもどす会ひょうご(略称 市民の手)
問合せ先 高橋秀典 saltshop@kobe.zaq.jp



☆民主主義ってコレかも?
アイスランド&ヨーロッパの旅でみつけたもの
お話:小橋かおる
日時:2017年7月20日(木) 10:00~11:30  開場 9:30
場所:神戸市勤労会館 406号
参加費:500円(原発事故避難者・学生・障がい者 200円)
子ども無料 お子さん連れのご参加歓迎♪(会場内にキッズスペース有)
緑の党会員・サポーターでない方もご自由にご参加いただけます。
主催:緑の党ひょうご(緑の党兵庫県本部)
お問合せ・連絡先:hyogo.greens@gmail.com
フェイスブック・イベントページhttps://www.facebook.com/events/1912292002323247/
詳細:http://whatsnew-on-flowersandbombs.blogspot.jp/2017/06/720.html


2017/06/30

 

表現の自由とわたしたちの政治

この5月、6月は、イベントの主催や司会を通して、様々な方に出会い、ほんとうに多くのことを学びました。少し、まとめておきます。
6月の庭

                                                                     
☆藤田早苗講演会
◆国際社会から見た日本の表現の自由とメディアの問題
~グローバル・グリーンズ 世界大会 フォローアップ講演会 in ひょうご ~
日時:2017年5月17日(水)18:30~20:40(18:00開場)
場所:神戸市勤労会館403・404号室
講師:藤田早苗さん(英国エセックス大学人権センターフェロー)
主催:緑の党ひょうご(緑の党兵庫県本部)


4月にリバプールでの緑の党世界大会でお会いし、神戸での講演会を急遽企画いたしました。
日本語という「壁」があって、なかなか日本の状況が海外に知ってもらえず、また、海外の情報も日本国内にはなかなか入って来ないという「情報鎖国」を、イギリス在住の藤田さんは痛感されています。

ご専門の国際人権法から考えると、「特定秘密保護法」や「共謀罪」、またメディアの報道の自由を制限しかねない電波法や記者クラブの問題などに大きな懸念を抱かざるを得ずなくなり、日本の情報を積極的に、国連人権理事会や国連特別報告者に提供。そこから得られる国連人権理事会からのアドバイスで、日本がより民主的で国民の人権が大切にされる国になるよう願って行動されています。

国連からのこのようなアドバイスを「内政干渉」だとする意見もありますが、第2次世界大戦の反省から、人権は国内事項ではなく、国際関心事であるとのこと。すなわち、どこの国にいようとも、人権は守られるように動いていくのが、国連の、また国連加盟国の責務であることも、藤田さんのお話から改めで確認できました。


また、日本の人権保護状況は、まだまだ不備な点が多いこともよくわかりました。特に、今後調べたいと思っていることは、「個人通報制度」。

人権法実施には不可欠な制度と思われているそうですが、日本はまだ批准していません(民進党のマニフェストには入っていたことがあるそうです)。この制度があれば、例えば、日本の最高裁で敗訴が確定してしまっても、個人通報制度を使って、人権条約機関に直接訴え、救済を求めることができるそうです。原発事故によって多くの方が理不尽な状況にある中、この制度が必要になることになるかもしれません。「個人通報制度」に関しては、後日よく調べたいと思います。


藤田さんのお話をyoutubeなどで聞くことができます。     
講演会の後の藤田早苗さんと
↓ ■自由なラジオ・おしどりのラジオアクティブ ゲスト:藤田早苗さん http://jiyunaradio.jp/personality/archive/063/
☆詩人 アーサー・ビナードさんに聞く 言葉のつむぎ方、ひもとき方
■アーサー・ビナード講演会           
詩人 アーサー・ビナードさんに聞く
      言葉のつむぎ方、ひもとき方
日時: 2017年5月21日(日) 14:00~16:30 (13:30開場)   
場所: 神戸市勤労会館(405・406号室)
主催:さよなら原発神戸アクション 花と爆弾賛同イベント


昨年からアーサーさんをお迎えしてのこの講演会の実現のために、中心になって動いてきましたので、この講演会の成功は、ほんとうに嬉しいものでした。
また、アーサーさんのお話は、とても真に迫るものでした。

日本国憲法21条
1. 集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、これを保障する。
2. 検閲は、これをしてはならない。通信の秘密は、これを侵してはならない。

講演会の最後で、アーサー・ビナードさんは、
憲法21条を読み上げ、こう続けました。

「僕たちがこの憲法のもとで、黙っていたら、
僕らの戦中、戦後の責任は、昔の人の比じゃない。
今やれることはごまんとある、黙ってる場合じゃない。」

特定秘密保護法、共謀罪と、何が秘密で、誰からの密告で、逮捕されるかもわからないような法が整備されようとしている今、
「僕は、小林多喜二とともに書いている」ともおっしゃったアーサーさん。
私たちにも必要な覚悟というか、生きる姿勢を、見せてもらった講演会でした。


■講演部分の動画をyourubeにアップしてもらいました。
聞き逃した方、もう一度聞きたいかた、どうぞご覧ください。           
講演会の後のアーサー・ビナードさんと
https://www.youtube.com/watch?v=B7rb4c5FcaI&feature=youtu.be 表現の自由、報道の自由を守ることは、自分たちの未来を守ること。 民主主義社会の根幹でもあるということを確信した上記の講演会。 以下の講演会は、その民主主義社会において、 有権者としてどのように政治に関わっていくか・・・ それを模索するものとなりました。



★日本はもっと良くなる!長妻昭 講演会
日時 6月11日(日)13:30~16:30(13:00開場)
場所 神戸市勤労会館403&404(三宮駅東へ徒歩5分、中央区役所西側)
内容 講演「すべての人に居場所と出番のある社会を」長妻昭衆議院議員
主催 政治を市民の手にとりもどす会ひょうご 協賛 連帯兵庫みなせん

主催の「政治を市民の手にとりもどす会ひょうご」には私もメンバーに加えさせてもらっています。この講演会に先だって、私たちは「みんなが幸せになるマニフェスト」作成していました。これは、私たちが望む政治、私たちからの提言をまとめ、このマニフェストに共感してくれる政治家を応援していこうとの思いで作ったもので、この講演会の最後に、私が代読させてもらいました。

「政治を市民の手にとりもどす会ひょうご」が目指す政治の基本は、金持ちや大企業のための政治ではなく、市民のための政治。税制的に優遇されている富裕層、大企業に公平な税負担を課し、そして公正な税分配により社会福祉の充実を実現する、というものです。

長妻さんのお話では、ベルギーの例が多く登場し、福祉が充実し、労働効率の高いヨーロッパ型を目指しているところに共感しました。また、財源については、法人税の引き上げには慎重な意見でしたが、大企業向けの優遇税制や、タックスヘイブンの租税回避の阻止の対策など、私たちとのマニフェストとの一致点もありました。

自民党の新自由主義的、アメリカ型強欲食資本主義ではない、もうひとつの選択肢となりうる政策を基本にする民進党という存在を再認識できた講演会でした。


                                                               
★泉田裕彦(前新潟県知事)講演会 日時 2017年6月25日(日)13:30~16:30 場所 兵庫県私学会館大ホール(定員300人)元町駅東口西北歩2分 講演「原発と地方自治体」泉田裕彦前新潟県知事 主催 泉田裕彦講演会実行委員会 「避難計画なくして再稼働はあり得ない」と、311以後、東電と交渉を続けてきた 柏崎・刈羽原発の立地県である新潟県の前知事である泉田裕彦氏の講演会では、私は司会を務めさせていただきました。 県知事就任直後の2004年と、2007年に大地震に襲われた新潟県で、知事としてあらゆる判断を迫られ、また2007年の柏崎・刈羽原発の火災事故で、原発防災の問題点を目の当たりにされた実体験を元にお話しくださったので、とてもリアリティがありました。 福島第一原発事故以降は、原発立地県として、東京電力にさまざまな情報を求め、また対策を要請して来られたそうですが、メルトダウンの事実を隠蔽し、明らかに嘘と思われる報告をするなど、原発立地県の知事にも平気で嘘を言う、東電という会社の体質にたいへん憤りを感じられたそうです。 その憤りは、泉田さん個人のものというのではなく、新潟県民すべての人の憤り。県民の暮らしを根底から覆してしまう可能性のある原発を運転する企業が、自分たちの保身しか考えず、自分たちの利益のために、新潟県に嘘をつく、すなわち新潟県を犠牲にしても企業を守るという姿勢に憤っているのだと思います。ただ、その憤りを表明し、要請をする行動が、安倍政権や東京電力という中央の人間には都合が悪かったのでしょう。さまざまな「印象操作」的報道がなされるなか、あえて前回の知事選には出馬しないという選択をされたようです。 しかし、自治体とは本来、住民の命と暮らしを守るものではないでしょうか?新潟県民の憤りをくみ取られて発言されてきた泉田さんは、県知事として当然の仕事をされてきたのだと思います。 泉田さんが講演で言及された、大震災による交通網の混乱や壊れた家屋での余震の怖さ、そこに原発事故が加わった時、安定ヨウ素剤もなく、どうやって屋内避難することができるのかなど、大地震と原発事故の複合災害の恐ろしさと対処の難しさは、阪神淡路大震災を経験した私たちには、ありありと想像できました。 今後、私たちが兵庫県を始めとする自治体に、さらなる原発災害対策の推進を要請するにあたって、とても参考になる、ほんとうに有意義な講演会でした。

                         「最近、指紋も写るからね」とおっしゃりながら、
                         手の甲を見せて、ちょっとおどけている泉田さんと。


2017/05/11

 

「カレーズの会」報告会

                                    
報告をするシェルシャーさん
カンダハールでの医療活動に従事
5月10日、大阪のアジア文化センターで開かれた「カレーズの会」(アフガニスタン人のお医者さん兄弟を中心にカンダハールで医療活動をするNPOで、「花と爆弾」も2013年から寄付をさせていただいています)の報告会に参加しました。

このところアフガニスタンの状況は悪化していて(空爆による死者は2015年比で2016年は48%増(/_;)、また難民の帰還(国が安定したから帰ってくるのではなくて、各国から追い返されている)が増える一方の中、さらなる治安悪化が懸念されるとのこと。


もともとは農業国のアフガンにおいて、この状況を少しでも改善させるには、農業ができるように国土を整備するなど、皆が働ける環境を整えることが何より大切であるとのことです。

この1年間の「カレーズの会」の活動としては、子どもの健康と妊婦さんを守ることに力を注ぎ、子どもたちの各種ワクチン接種、妊婦さんへの破傷風ワクチンや、夜間でもお産ができる体制整備を行ってきたとの事でした。


代表のレシャードさんは、長年日本でお医者様をされていて、今は在宅医療に力を入れているとのこと。アフガニスタンのお話の時は、とても深刻なお顔でしたが、日本での在宅医療のお話の時は、とても生き生きとしたお顔で、「病院に来られないような患者さんのところに行って治療するのが医者の仕事。それは、日本の患者さんでも、アフガニスタンの患者さんでも同じ。必要とされているところに行って治療する。」と語られました。


写真は、左がカンダハールで医療活動をする弟のレシャード・シェルシャーさん、真ん中が日本で医療活動をする兄のレシャード・カレッドさん。素晴らしいご兄弟です。
今年も、秋には「花と爆弾」から寄付をさせていただくことを約束して、記念撮影♪





追記:宝塚アフガニスタン友好協会の西垣敬子さんに感謝。

「花と爆弾」の活動当初から、たいへんお世話になり、また寄付も続けて参りました「宝塚・アフガニスタン友好協会(TAFA)」の西垣敬子さんが、御年80歳を越えられたこともあり、協会の活動は2017年3月を持って終了されることになりました。これからは個人的に支援を続けていきたいという西垣さん。TAFAはなくとも、西垣さんとはこれからもお会いして、アフガニスタンのことなど、いろいろと教えていただきたいと思っております。

写真は、2017年3月の宝塚NGOフェアにて、最後の展示会をされた時の西垣さんと。

 






今後は、TAFAに寄付させていただいていた分を、「カレーズの会」への支援とさせていただこうと思いましたので、こちらでご紹介させていただきました。

暴力の連鎖の発端でもあったアフガニスタンに平和が訪れるとき、この世界も暴力ではなく、対話と和解で問題を解決することを学ぶのでしょう。そのときが必ず来ると信じて、アフガニスタンの支援を続けていきたいと思います。

2017/04/19

 

グローバル・グリーンズ 緑の党世界大会@リバプール


2017年3月30日から4月2日までの4日間、イギリスのリバプールで開催されたGlobal Greens Congress 2017(緑の党世界大会)に参加しました。

世界90ヶ国以上から1900人が集まった世界大会。環境、人権、非暴力、民主主義を守る政治を推進するために、日々活動している各国の大臣、議員、はたまた私のような一般人が集合し、意見を交わし、共に食べ、飲み、踊り、そして、同じ目標のために動こうと確認し、それぞれの国に帰っていく。この世界規模の連帯感には、これまで経験したことのない興奮と希望を感じました。

写真とともに、私の4日間の体験を共有していただけたら、嬉しく思います。



3月29日
大会前日から、現地入りした世界のグリーンズとすっかり意気投合。
写真は、筆者とマケドニアとインドネシアからのグリーンズ。





3月30日
開会式の基調講演ではイギリス、オーストラリアの国会議員とスウェーデンの副首相を務める3人のグローバルグリーンの女性がスピーチ。新自由主義経済が生み出す未来への不安や外国人への憎しみ、環境破壊を止めるためには、もっと緑の議員、緑の閣僚が必要と力強く訴えて、満場の拍手!

■グローバルグリーンズ大会の公式動画(日本語訳あり)
http://greens.gr.jp/pub-movie/19850/

■開会式の基調講演(英語動画):
スウェーデン緑の党代表で副首相兼気候大臣のイザベラ・ロヴィーンのスピーチ
http://greens2017.org/content/key-note-speech-isabella-l%C3%B6vin




3月31日 核・原子力なき平和と安全保障の分科会  
4日間の大会では、大会場で開かれる全体会と、小規模の会議室で開かれる分科会がありましたが、2日目の分科会では、日本の緑の党がコーディネーターを務める「核・原子力なき平和と安全保障」の分科会が開催されました。

写真は、福島第一原発事故により、福島県からの避難を余儀なくされ、現在はイギリスのマンチェスター在住の原発避難者の方です。語られる実体験は、聞く人の心に深く届くもので、分科会終了後も、世界各国の人が残って、質問や激励の声をかけてくれていました。

実は、この原発避難者の方と出会ったのは、神戸地裁での原発賠償訴訟の裁判を傍聴にいった時に、たまたま共通の知り合いから紹介され、ぜひ、リバプールでの世界大会で体験を語ってくださいとお願いしたのが始まりでした。私が今回世界大会に参加したいと思った一番の理由も、福島原発事故の惨状を世界に少しでも伝えたいと思ったことでしたので、このような形で分科会に関わることができて、とてもありがたく思いました。

■Global Greens Congress 2017 in Liverpool日本派遣団ブログ
2日目 分科会 核セッション
http://greensjapan-in-gg2017.hatenablog.com/entry/2017/04/02/013718

■原発賠償ひょうご訴訟 ぽかぽか★サポートチーム
http://pokapoka-hyogo.weebly.com/




リバプール アルバート・ドック

様々な討議が、朝9時から夜の8時まで連日行われていましたが、私は少し失礼して、会場近くの「国際奴隷博物館」を見学に行きました。リバプールはいわゆる「三角貿易」で、アフリカからアメリカ大陸に黒人奴隷を輸送することで富を築いた港町。海運によって栄えた街の歴史を伝える海洋博物館の最上階に奴隷博物館を設置し、自らの負の遺産を現在そして未来へと語り継いでいこうとする姿勢が感じられました。博物館は、写真のアルバート・ドックの一角にあります。



大会参加者の大半は、昼食、夕食も会場で。夜にはいろいろなライブも用意されていました。やっぱり一番盛り上がったのは、ビートルズ・ナイト!コピーバンドの演奏する、ビートルズナンバーに、国籍、年齢、性別を問わず、世界のグリーンズがノリノリでした♪



4月1日
グローバルグリーンズ世界大会3日目は、格差を是正するための公正な税制についての分科会と講演に参加しました。
 分科会では、IKEAなどのグローバル企業は利益の25パーセントをタックスヘイブン(租税回避地)の国々に送金し、税を逃れている。このような不正に何ができるかとの具体例として、写真のようなキャンペーンが紹介されました。

 講演会では、EUからの発言で、経済格差は自然現象ではなく、私たち人間の決定によって起きていることを認識し、政治家はその決定をする力をもっていることを再認識しようとの提言。
 今のお金の流れを変え、私たちの社会を豊かにするためには、銀行や企業にお金の流れを公開させ、民主主義によって資本をコントロールできるよう政治家を働かせること、そのためには息の長い市民たちの支援が必要なことが提言されました。



同じく4月1日。日本の報道の自由の危機について、藤田早苗氏(英国エセックス大学人権センターフェロー)をお招きしての分科会を日本の緑の党がコーディネートしました。

報道の自由度ランキング(2016年)では72位と急落している日本の現状を世界に伝えましたが、一番伝えなくてはならないのは日本国内ではないかと思い、5月に緊急帰国される藤田氏に、神戸での講演会をお願いしました。
平日の夜となりますが、ご都合よろしければ、ぜひご参加ください。
 
◆国際社会から見た日本の表現の自由とメディアの問題
~グローバル・グリーンズ 世界大会 フォローアップ講演会 in ひょうご ~
日時:2017年5月17日(水)18:30~20:40(18:00開場)
場所:神戸市勤労会館403・404号室
講師:藤田早苗さん(英国エセックス大学人権センターフェロー)
参加費:1000円 (原発事故避難者、学生、障がい者/同伴者…無料)
連絡先: hyogo.greens@gmail.com 070- 1308-7717(松本)
主催:緑の党ひょうご(緑の党兵庫県本部)



決議に賛成を表明する
緑の党グリーンズジャパン共同代表のおふたり  

4月2日 グローバル・グリーンズ 「リバプール宣言」 
4日間に渡ったリバプールでの緑の党第4回世界大会(グローバル・グリーンズ)。
この大会の成果が「リバプール宣言」として発表されました。
■グリーンズ 世界的運動、統一ビジョン
http://greens.gr.jp/world-news/19778/


イギリスで開かれた世界大会ということもあって、ヨーロッパからの参加者がとても多く、特に、緑の党が躍進したヨーロッパの国々の現役の大臣や国会議員に直接会って、話しをする機会が持てたことは、とても貴重な体験となりました。

新自由主義によって市民生活が危機に陥り、偏狭なナショナリズムの台頭が心配されるヨーロッパですが、その対抗として緑の党の政治、言い換えるならば、環境、人権、非暴力、民主主義を守る政治を切望する人々が、緑の党の議員、閣僚を誕生させ、そしてその期待に応える政治が、ヨーロッパに新しい風を吹き込んでいる。。。そのことを実感できただけでも、この大会に参加してよかったと思えるものでした。
さあ、次は日本の番です。


グローバル・グリーンズ世界大会の巨大なバナーを背景に



関連サイト
■【世界のみどり】グローバル・グリーンズ2017 リバプール大会報告
http://greens.gr.jp/world-news/19863/

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