2005/06/30

 
終戦から60年となる今年は、メディアでも60年前の悲劇が多く取り上げられています。
その悲劇を体験した方も、また今年になって初めて知った若い方も、今の日本の平和をかみしめ、また内戦状態のようなイラクでの爆弾テロのニュースなどに改めて心を痛めていらっしゃるのではないでしょうか?
戦争のない平和な世界・・・それは世界中の誰もが望んでいるはず・・・。
その平和への祈りを何かの形に表せたら・・・、そんな気持ちをお持ちの方も多いのではないでしょうか?

「花と爆弾」の取り扱い店となっていただいている心斎橋の「若松」の女将さん、ほりこしゆみこさんが、平和への祈りを具体的に行動に表すことのできる、素敵な企画を立ち上げられました。

ストーンウォークという米国マサチューセッツ州で始まった、戦争で亡くなった全世界の市民を悼むための草の根市民運動が、第5回グローバルウォークとして日本で行われます。長崎を7月2日に出発し、8月4日に広島をゴールとして、皆で歩いて碑石を運ぶという、長く苦しい平和へ歩みを体現したようなウォークです。ピースアビー(平和のための修道の家)とピースフル・トウモローズ(平和な明日をめざす9・11遺族の会)の2つの団体がこのウォークの中心的団体ということです。詳しくはこちらのHPまで。
http://homepage2.nifty.com/tomokonet/stonewalk/#

とても素晴らしい祈りの歩みですが、でも参加するとなると、ちょっと大変ですよね。そこで、ピースフル・トウモローズを日本でお世話もされているゆみこさんが考えられたのは、「歩けない人は、折り鶴を折ろう!」ということです。
私も高校生の頃、ある事を願って千羽鶴を作ったことがありますが、何かを祈りながら、何度も何度も同じことを繰り返していると、無心になって心が真っさらになったような気がしました。そして、千羽を折った時のあの達成感と、できあがった千羽鶴の美しさ。あの感じは、碑石を引きながら長崎から広島まで歩く方々の覚える感動と少し似ているかもしれません。もちろん、千羽も折らなくても構いません。できるだけでいいんです。1羽でもいいんです。ただ、「私も平和を祈っていますよ」と行動で示してみる、平和を祈る人たちと気持ちを合わせてみる、それだけで、とても素晴らしいことだと思います。皆さんも、平和を祈りながら、ちょっと折ってみませんか?
最後に、ゆみこさんからのお知らせです。

★ストーンウォーク折り鶴キャンペーン★
発起人 ほりこしゆみこ
呼びかけ人 石橋行受 上人(日本山妙法寺 ニューヨーク道場)
*石橋お上人はナガサキからヒロシマまでの全行程を歩かれます。
●ももの家●人間家族編集室

《ストーンウォーク折り鶴キャンペーンについて》
★紙は千代紙でなくてもかまいません。
包装紙、広告、チラシ、ノートのはし切れなども利用してください。
大きさも自由です。

★一羽以上の場合は必ず糸でつなげてください。

★ストーン・ウォークへのメッセージを書いてくださる方は、折り鶴と一緒に送ってください。

★期間中、何度送ってくださってもけっこうです。
 週一回をめどに集まった折り鶴をウォーカーの居る場所にまとめて届けます。(切手カンパ歓迎)
 最後の締め切りは8月1日必着でお願いします。(ゴールに間に合うように届けますので)

集約先・〒542-0086 大阪市中央区西心斎橋1-10-6
     若松方 つながるいのち ストーンウォーク折り鶴キャンペーン

寄付も受け付けていらっしゃいます。
ストーンウォークの振替え口座

01330ー3ー94555
ストーンウォークジャパン

2005/06/19

 
 今日は新長田のピフレ・ホールで開催された、「アフガン零年」上映会とシネマ・トーク「アフガンの悲劇はまだ終わっていない」を見にでかけました。
 シネマトークの出演者は、いつもお世話になっている宝塚・アフガニスタン友好協会の西垣敬子さんと、アフガニスタンからの留学生Ahmadzai君。神戸大学法学部に在籍されているそうですが、まだ日本語は勉強中ということで、英語でのトークとなりました。お二人で、「アフガン零年」の背景となっているタリバン政権時代のことや、2001年10月7日(日本時間10月8日)のアメリカの空爆時のこと、そして現在のアフガンについて、30分という少ない時間の中で、たくさんの事を語ってくださいました。

 そんなお二人が、強く訴えていたことは、「どうかアフガニスタンを忘れないで」。アフガニスタンはようやく憲法制定、大統領選挙を経て、なんとか平和で安全な国に生まれ変わる第一歩を踏み出したところです。ソ連との戦争、内戦、アメリカによる攻撃という、20年以上の戦乱の後に訪れた平和。アフガニスタンの人々は、本当に、本当に平和を望んでいます。でも、哀しいかな、内戦時代「アフガニスタンで近代化されているものは、兵器だけだ」と揶揄されることもあったように、他には何もなくても、兵器はまだまだ国中に溢れていますし、軍閥も力を保ったままです。国際社会の関心や協力がなくなってしまえば、また元の内戦状態に戻ってしまう危険性は十分考えられます。私たちの無関心が、アフガンで何百万人もの餓死者や難民を生み出し、結果的にはアル・カイダのようなテロリストの基地をあの地に作ることを可能にしてしまったことを考えれば、二度と悲劇を繰り返さないために、本当にアフガニスタンの人々に平和が訪れるその日まで、どうかどうか、彼らのことを忘れないでください。

 最後に、Ahmadzai君の言葉の中で、特に共感したものをご紹介させていただきます。
平和でさえあれば、アフガニスタンはもっともっとたくさんの事を達成できる。」
 そう、平和があれば。治安が維持されてさえいれば、できることはたくさんある。でも、ひとたび戦争が起これば、降り注ぐ爆弾や飛び交う銃弾の中で、明日をも知れない毎日を、ただただ生き延びるために戦うことしかできない。

 生まれてからのほとんどの時間を戦争という悲惨な環境で過ごしてきたAhmadzai君の言葉、「平和でさえあれば」。とても重い、そして真実の言葉だと思います。

2005/06/05

 
 様々なイベントがあり、多くの方々のご支援をいただいた5月も終わり、少し静かな6月を迎えています。とは言え、今やインターネット社会。この世界では、自分自身が動かなくても、直にその人と出会わなくても、どんどん人とのつながりが生まれていきます。

 最近、私のことは直接ご存じなくても、「花と爆弾」のHPなどをご覧になって、eメールを下さる若い世代の方が増えてくれています。中には、とても気に入ってくださったのか、友人にも読ませたいからと言って、10冊も追加購入してくださった方もいらっしゃいました。また、ご自分のブログなどで「花と爆弾」の紹介をしてくださる方も、ありがたいことに多数いらっしゃいます。そんな皆さんが私に寄せてくれるメッセージに共通している言葉、それは「小さなことでも、何か世界の子どもたちの笑顔のためにできることがある」「出来ることから始めることが大事」。「花と爆弾」の本当に小さな小さな活動に共感してくださって、自分でも何か出来ることはないかと考え、「花と爆弾」を応援してくださっているのです。

 『花と爆弾』発行から1年2ヶ月。まだまだ始まったばかりの活動ですが、ご支援してくださる方は、本当に次から次へと現れて、平和への祈りは広がっていっています。一人一人ができることは小さいけれど、でも多くの人が集まれば、きっともっと素敵な世界、もっと笑顔の溢れる未来が作れるはず。皆さんからいただくeメールを毎日拝見しながら、未来への希望を強く感じる今日この頃です。

 さて、HPの更新のお知らせを。昨日、「花と爆弾・Webギャラリー」に6月の作品として、黄色いバラの写真を紹介させていただきました。この写真は写真家の深井美貴子さんの作品で、3月に大阪で開催されたアフガニスタンの子どもたちのためのチャリティー・アート展で見つけた作品です。「記憶の花束」と名付けられた花の写真が幾つかポストカードになって販売されていたのですが、この黄色いバラの写真は、最初に見た時から、私の「黄のバラ」の短歌をこの写真に添えさせてもらいたいと強く思いました。ポスト・カードに記載されていた深井さんのHPにお邪魔し、さっそくメールで希望を伝えたところ、快諾していただきました。
 
 今、庭では黄色のバラが満開です。一昨年前にも、このバラは咲いていました。2003年、世界中で巻き起こった反戦運動もむなしく、イラク戦争が開戦され、そして5月に戦闘終結宣言がなされました。何とも不条理な戦争、続くテロによる一般市民への被害。それらを見ながら、何もできない虚しさに打ちひしがれているときに、この庭のバラが、ぽわーんと淡い黄色の花を一輪咲かせたのです。失望の淵に咲いた大輪の黄色いバラ。このバラが、『花と爆弾』が生まれるきっかけをつくってくれたような気がしています。

 失望の淵で眺めていた黄のバラを、去年は『花と爆弾』という小さな本のもたらしてくれた小さな希望をもって、そして今年は皆さんから寄せられた希望のかけらを両手にいっぱい抱えて眺めることができました

 そんな思いのつまった「黄のバラ」の短歌に、ピッタリの写真と出会えて、こうして皆さんに紹介できて、とても嬉しく思います。深井さん、本当にありがとう。
 Webギャラリーでは、これからも私の見つけた素敵な作品と、素敵な芸術家の方々をご紹介させていただく予定にしています。楽しみにしていてくださいね。

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