2010/05/22

 
家族が食べていけて・・・

今日は、「花と爆弾」でもずっと支援させてもらっているペシャワール会の中村哲医師の講演会に行ってきました。2003年から始まった「緑の大地計画」。水路も一応の完成を見ましたが、中村先生は、「自給自足、自分の食べるものは自分で作るという、本来のアフガニスタンの人々の暮らしを取り戻すには、まだまだしなければならないことがたくさんある」と、今も現地で汗を流していらっしゃいます。

今回新たに紹介されたのは、村に建てられたモスクとマラドサと呼ばれる学校。水路ができた時も人々は大喜びだったそうですが、今回のモスクとマラドサに関しては、それ以上の喜びで、「これでほんとうに自由になった」ととても感謝されたそうです。

水路が完成して、10万人以上の人々が戻ってきて、農地を耕し始める。そこには水利をめぐる諍いや争いも生まれたそうですが、このモスクを作ったことによって、人々はモスクで争いごとを調停し、連帯を深めていく・・・イスラムの教えに導かれての生活を取り戻せたことで、「ほんとうに自由になった」「ほんらいの生活を取り戻せた」と実感しているようです。

今日の講演会は日本キリスト教海外医療協力会の主催で、中村先生ももともとクリスチャンでなおかつこの協会からペシャワールに派遣されたことが、これまで26年に及ぶアフガニスタンでの活動の始まりとなったとのことでした。おそらく会場にはキリスト教徒の方々が多かったと思うのですが、先生がおっしゃった「人はパンのみで生きるわけではないということが、モスク建設でよくわかる」という意味を、皆さんとても深く受けとめられたのではないでしょうか。

最後に、私の心に深く残った先生の言葉をご紹介しましょう。「家族が食べていけて、故郷に暮らせる。これが人間にとって大切なこと」。すなわち、故郷で自分の生まれ育った文化・風習にはぐくまれた環境で、家族と共に食べていける・・・、これが人がその人らしく生きていく上で、もっとも大切なものということではないでしょうか?今日発行のメルマガ「7世代に思いをはせて」では、山口県の祝島に生きる人々をご紹介しました。島の皆さんも、故郷で、これまでどおり自然とともに自給自足の生活を家族で続けたいと思われています。その暮らしが、原子力発電所建設によって脅かされている・・・。

もとの自給自足の生活の場を取り戻そうとアフガンで懸命に働いていらっしゃる中村先生のお話を聞きながら、この日本国内で、そのような暮らしを奪い取られそうになっている人たちがいること、そしてそうしてまでつくられた電気は関西に送られて使用される予定だということを思い、アフガンの人々だけでなく、日本でも、人々の暮らしを守っていけるよう、できるだけの支援をしていきたいと思いました。


5月22日発行メールマガジン「7世代に思いをはせて」

中村哲氏の講演会日程

2010/05/16

 
戦争を許さないのも人間

昨日、芦屋ルナホールでの品川正治さんの講演会にいってきました。品川さんは現在86歳。戦時中は中国で戦われ、復員されてからは経済人として、日本火災海上保険会社の社長、会長を歴任、現在も経済同友会副代表幹事・専務理事を務められている財界のリーダーでいらっしゃいます。

この講演会にお誘いいただくまで、品川さんという方をまったく知らない私でしたが、戦前を生きてこられた方とお話する機会はめったになく、この講演会をとても楽しみにしていました。

子ども時代の芦屋での思い出から始まって、京都での召集令状がくるのを覚悟しながらの高校生活の話、そして中国での戦闘の話。とてもゆっくりと、言葉をかみしめながらお話くださいました。特に自分の戦闘の話は、84歳になるまで人前では話せなかったこと、「自分が生き残った」ことへのトラウマがどんなに拭い去れないものであったかを、心から話してくださいました。こうして文字にすることもためらうほど、品川さんの心の底からの無念と贖罪の気持ちが会場にいた皆に伝わっていくようでした。

そして、戦争に対する深い思い。
「戦争をするのも人間だが、戦争を許さない努力ができるのも人間。
国家という視点から見ると、(国連憲章などを見ても)戦争は許されているが、人間という視点から見ると、戦争は許されるものではない。今や無人戦闘機を使って村を爆撃する時代。そこではお母さんも子どもたちも巻き込まれて死んでいる。このようなことは人間として許すことはできない」と力強く語っておられました。

また、対テロ戦争を繰り広げるアメリカと、日本の関係についても、
「アメリカは絶えず戦争を構えている国。日本は平和主義。アメリカとは価値観が違う。このような価値観の違いの問題点が噴出しているのが沖縄。このような矛盾をいつまでも続けられるはずはない。」「メディアは、さもアメリカの言いなりになることが正しい道だというような報道を続けているが、日本は平和主義、また平和主義に根ざした経済活動に沿った道を進むべきだ。」と経済界に長く身をおいてこられた視点からも日本の指針を語ってくださいました。

「この年になって、皆様を前にこのような話をさせてもらうのも、今話しておかないと取り返しのつかないことになるという思いからです。倒れるまで全国を行脚してお話をさせてもらいます。」と深々と頭を下げられて、2時間以上に及ぶ講演を締められました。

こんなに本心から、こんなに真正面から、政治家、学者、経済人、その他の立場に身をおいた借り物の姿でなく、ひとりの人間としてお話をしてくださった方は初めてでした。
「人間」としての視点、「人間」としての言葉がどれほど人々の心に届くものかを、目の当たりにさせてもらいました。お話が終わってもいつまでも拍手が鳴り止まない、奇跡のような講演会でした。



過去の品川正治さんの講演会の模様がyoutubeで見られるようです。
生の声とはまた違うかもしれませんが、ご覧ください。
品川正治さんに聞く「映像ドキュメント.com」

2010/05/15

 

アート縁日
5月9日の日曜日、神戸の新開地音楽祭にてアート縁日に参加してきました。お天気もよくて、音楽にあふれていて、そして素敵な出会いに恵まれた一日でした。

今回は、「7世代後への子どもたちへのメッセージ」を皆さんにお願いしたのですが、皆さん「7世代?孫の世代ぐらいだったら、考えられるけど・・・」とか、「210年後ですか~?」と頭をひねりながら、メッセージを書いてくれました。一部ご紹介すると、

「海を大切に」
「ご飯をおいしく食べてください」
「家族で笑ってますか?」
などなど、何世代前も何世代後も関係ない、普遍的な願いであふれました。
アメリカ人の青年は「人生を楽しんで!」とも書いてくれましたよ。

7歳ぐらいの女の子は、「ママと一緒に遊びたい」
いつの時代も子どもたちには、お母さんややさしい大人に守られて、
安心して育ってほしいですよね。

今回のイベントを通して、
やっぱり人の願いは普遍的で素朴なものなのだと、気づかせてもらえました。


ご協力いただいたみなさん、ありがとうございました☆

2010/05/03

 

アフガン女性、がんばる!

「花と爆弾」支援させてもらっている宝塚・アフガニスタン友好協会の西垣敬子さんが3月にアフガニスタンへ行かれたので、その報告写真展が5月1日~3日に宝塚で開かれました。


私は2日に伺いましたが、会場に飾られた写真のなかに、ハシゴに登って天井のペンキを塗ったり、壁の補修をしたりするアフガニスタン女性の姿を見つけました。

彼女たちは未亡人を中心とする何の技術もない女性たちで、アフガニスタン国立ナンガルハル大学の補修工事にと雇われて、毎日5ドルで働いているとのこと。


アフガニスタンで、女性が、それも未亡人の女性が、外で働くなんて今まで考えられないことだったので、とても驚きました。
このようなことが実現できたのは、この大学を昨年卒業した女子学生が自らプロジェクトを立ち上げ、そしてアメリカの支援団体から助成金を勝ち取ってきて、アフガン政府に協力を求めて未亡人を集めてもらったからこそだそうです。


アフガニスタンの女性を外で働かすなどということは、部外者である外国人支援者にはなかなかできないことです。アフガン女性が中心になったことで、地元や政府の協力が得られたことが、ほんとうに大きなプロジェクト成功の要因になったのだと思います。


長年アフガニスタン支援をされてきた西垣さんも、このアフガン女性の行動力には本当に感激されていました。


そうなんです。
教育を受けた女性が、自ら立ち上がって、自国の女性たちのために働く。この積み重ねが、本当の復興であり、アフガニスタンの明日を創る力だと思います。 ナンガルハル大学の女子学生を支援してこられた西垣さんも本当に嬉しいことでしょう。また、微力ながらも支援させていただいた私もほんとうに感激しています。



会場の写真には、乳飲み子を抱えて作業に参加する女性や、
ドレスのすそをたくし上げて天井にペンキを塗る女性も写っていました。
とても力強くて、アフガニスタンの希望を見た思いでした。


まだまだ小さなプロジェクトですが、
このような動きがどんどん続いてくれることを願います。




写真はプロジェクトを企画・実行したFaiqaさん
ナンガルハル大学教育学部物理学科数学専攻 2009年6月首席で卒業
現在は、Gender operational officer /Central Asia development Group(CADG) US AID 
写真協力:宝塚・アフガニスタン友好協会

報告会を伝える神戸新聞の記事(2010年4月30日)

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